2015/07/30

7月FOMC声明(2015年):利上げに言及なしも労働市場評価引上げ

7月のFOMC声明が発表されました。

  • 経済活動は最近数カ月で緩やかに拡大。
  • いくらかのさらなる労働市場の改善が見られ、インフレが中期的に目標の2%に向かうとの合理的な確信が持てた時、金利引き上げが適切であると予想。
  • 雇用市場は堅調な雇用増加と失業の減少とともに改善を続けた。
  • FOMCはFF金利の誘導目標を0.0%から0.25%の範囲で維持する期間の決定に関して、2%のインフレと最大雇用の目標に向けて実現かつ予想される進展を評価する。
  • 広範な労働市場の指標は労働資源の未活用が今年初めから減少したことを示している。
  • 経済活動と労働市場の見通しに対するリスクはほぼバランスが取れている。
  • 住宅部門はさらなる改善を示している。

早ければ9月にも利上げと予想される中、マーケットでは今回のFOMCで9月利上げについての言及があるかもしれないという意見も一部にはあったようですが、利上げについての言及はなく、指標結果次第という大筋で前回通りの結果でした。

ただ、労働市場の評価について、前回は「広範な労働市場の指標は労働資源の未活用は幾分なくなったことを示している」としていたのが、今回は「広範な労働市場の指標は労働資源の未活用が今年初めから減少したことを示している」としていて、表現が上方修正されているという解釈が多いようです。

また、「いくらかのさらなる労働市場の改善が見られ、インフレが中期的に目標の2%に向かうとの合理的な確信が持てた時、金利引き上げが適切であると予想」と前回と同じ文言に「いくらかの(some)」という言葉を追加することで、労働市場があと少し改善すれば金利引き上げの条件が整うというメッセージを込めたという見方があるようです。

これを受けて、マーケットでは9月利上げの可能性が高いとみる見方が多くなったようです。

イエレンFRB議長は、15日の議会証言で、「雇用市場は正常な状態に近づいている」「賃金の伸びが加速する暫定的な兆候が見え始めた」「経済が改善するにつれて賃金上昇が加速すると予想」「雇用と経済の改善に向けて見通しは良好」など、雇用市場の改善はかなり進んでおり、今後の見通しも良好として楽観的な意見を述べていました。インフレについても、「インフレは2%目標に向けて徐々に上昇へ」と今後の上昇を予想しています。

こうした状況をふまえ、「年内いずれかの時点で利上げが適切」と述べているので、FOMC後にイエレンFRB議長の会見がある9月か12月に利上げされる確率はかなり高いといえると思われます。

さらに、「利上げのタイミングよりも引き締めのペースのほうが重要」「長過ぎる先送りは速い利上げを意味する可能性も」「早めの初回利上げはより緩慢な引き締め軌道を可能に」「緩やかな利上げが賢明」と述べていて、あまり先延ばしして急な利上げに追い込まれるよりは、初回の利上げを早めにして、その後ゆっくり引き上げていくほうがいいと考えているようです。そうなると、雇用・経済状況がかなり改善され、年末にかけてさらに加速が見込まれる中、経済指標がこのまま改善していくということが前提ですが、条件が整っているなら早めに9月に利上げしてしまったほうがいいということになりそうです。