2016/01/07

12月FOMC議事録(2015年)

2015年12月15-16日開催分のFOMC議事録が発表されました。

  • ほぼ全ての参加者が12月に利上げ開始の条件を満たしたことで一致。
  • 複数の参加者は12月利上げを5分5分と判断。
  • インフレに対するリスクには原油やドル高が含まれる。
  • インフレ目標の達成に関して全般にある程度の自信。
  • 複数の参加者はインフレ見通しについて重大なリスクがあると判断。

12月のFOMCは、7年間続いたゼロ金利を解除し、約9年半ぶりの利上げを行う決定をした歴史的FOMCになりました。決定は全会一致だったので、その点が「ほぼ全ての参加者が12月に利上げ開始の条件を満たしたことで一致」という所に現れているようです。

ただ、「複数の参加者は12月利上げを5分5分と判断」とあり、複数の参加者にとっては、利上げはギリギリの判断だったということのようです。その原因は、「複数の参加者はインフレ見通しについて重大なリスクがあると判断」とあるように、想定以上の低インフレの継続のリスクがあるということと思われます。

9月FOMC議事録発表後のFOMC投票権持ちの関係者の発言によると、エバンス・シカゴ連銀総裁、タルーロ・FRB理事、ブレイナード・FRB理事らのハト派が、年内利上げに反対していました。その後、海外経済情勢の安定化や、雇用統計をはじめとする米経済指標の好調により、発言は軟化していきましたが、彼らがインフレ見通しを危惧し、利上げはギリギリの判断だったと考えていたのではと思われます。

一方、イエレンFRB議長は12月FOMC後の会見で、「長期的なインフレ期待は概ね安定している」「労働のたるみの解消がインフレ上昇を支援する」「インフレを弱める多くが一時的な要因」「私自身はコアインフレは上向くと予想」と発言しており、これらは以前から述べられていたことと変わっておらず、一貫して低インフレ解消については楽観的に見ているようです。また、「インフレ目標の達成に関して全般にある程度の自信」とあるように、FOMC内ではイエレンFRB議長と同様の楽観的な見方が多いと思われます。

12月FOMC声明で発表された金利見通しによると、2016年は4回程度の利上げが見込まれているという解釈がマーケットでは一般的なようです。また、今年に入ってから、フィッシャーFRB副議長が「4回の利上げがおおよその範囲」と発言し、メスター・クリーブランド連銀総裁も「今年は4回以上の利上げが適切と公算」と述べ、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁も「2016年は3-5回の利上げが妥当」と発言していることから、4回程度の利上げがFOMC内のコンセンサスのようです。時期については、4回利上げが行われるなら、12月に利上げしたばかりなので1月はなく、四半期ごとに3月・6月・9月・12月ではないかとマーケットでは予想されているようです。3月・6月・9月・12月のFOMC後には、イエレンFRB議長の記者会見も行われることから妥当ではないかという意見が多いようです。

しかし、マーケットの利上げ予想では、2016年は中国経済の減速などから世界経済が予想より下振れするリスクがあり、4回の利上げは無理ではないかという見方が大半のようです。この点について、フィッシャーFRB副議長は、「市場の想定している金利水準は低過ぎる」と述べており、FOMCの金利見通しとマーケットの金利見通しに乖離があるようなので、金利見通しやインフレ見通しの変化について注視していく必要があると思われます。