2016/01/28

1月FOMC声明(2016年):利上げサイクル継続もややハト派的内容に

2016年最初のFOMCが開催され、昨日声明が発表されました。
政策金利は0.25~0.5%に据え置きでした。

  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げのみ正当化すると予想。
  • 12月以降に入手した情報はちょうど経済成長が昨年後半失速したにもかかわらず、労働市場が一段と改善したことを示唆。
  • 家計とビジネス投資はここ数ヵ月緩やかなペースで増加した。住宅セクターはさらに改善した。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的。
  • FF金利の道筋は今後出てくる経済見通し次第。
  • インフレはエネルギー価格下落の一時的な影響で短期的には低いままであるが、中期的には目標の2%まで上昇していくだろう。
  • 世界的な経済・金融情勢を注意深く見守る。
  • 労働市場やインフレへの影響、リスクの均衡判断で世界的な経済・金融情勢を評価している。

1月の利上げ予想はほとんどなく、2016年内に4回の利上げがあるとすれば最初は3月だろうという予想が多くみられていました。ただ、2016年に入ってからマーケットは大荒れの状況で、これでは年内4回の利上げは無理だろうというアナリストの意見が多くなっていました。

1月FOMCでは、こうした環境の中、利上げペースの予測に変化があるのかどうかという点が注目されていました。

「経済状況はFF金利が緩やかな引き上げのみ正当化すると予想」と、12月FOMC声明時と同じ文言で、これまで言われてきたとおり緩やかなペースで利上げを行うということでした。

「12月以降に入手した情報はちょうど経済成長が昨年後半失速した」とありますが、「労働市場が一段と改善した」「家計とビジネス投資はここ数ヵ月緩やかなペースで増加した。住宅セクターはさらに改善した」とあり、中国の景気下振れ懸念やマーケットの混乱という外部のネガティブ要因にもかかわらず、現在の米経済は堅調に改善しているとみているようです。このことから、利上げサイクルは継続され、大きな修正は今のところ見られないとマーケットにとらえられ、米株式市場は大幅反落したようです。

一方で、「世界的な経済・金融情勢を注意深く見守る」という文言が追加されました。昨年の利上げは当初9月FOMCが本命視されていましたが、当時チャイナショックといわれる中国景気減速懸念に端を発したマーケットの大混乱があり、9月FOMCでは「見通しが明らかになるまで待つのが賢明」(9月FOMC議事録)と利上げを見送った経緯があります。FOMCでは世界経済やマーケットの状況も考慮に入れられていることが示されたわけですが、ここで「世界的な経済・金融情勢を注意深く見守る」という文言が追加されたことで、今後の世界経済やマーケットの状況次第では利上げペースの減速もあり得るのではとマーケットではとらえられ、この点はややハト派的になったとみられているようです。

1月FOMC声明に対しては、米経済は堅調に改善していることやインフレも中期的には2%に上昇するとするなど楽観的な見通しは変えていない点が利上げサイクル継続=タカ派的という側面がある一方で、「世界的な経済・金融情勢を注意深く見守る」という文言が追加されることで、現在の世界経済状況をみると利上げペースの鈍化につながりそうな不安定な米国外の要因も考慮に入れるというややハト派的な面もあるという見方が多いようです。