2016/04/07

3月FOMC議事録(2016年)

3月15~16日開催分のFOMC議事録が昨日発表されました。

  • 多くの参加者が次の引き締めのステップの前に待つことが賢明と述べた。
  • 多くの参加者が世界経済や金融状況が米経済見通しにとってかなりの下サイドのリスクをもたらすと指摘。
  • 幾人かは4月利上げに反対、一部は賛成。
  • 参加者は3月会合で4月利上げの可能性について視野に入っていると述べた。
  • ジョージ総裁、利上げ先送りは目標を弱体化させると指摘。
  • 2人は3月の0.25ポイント利上げが適切と判断。
  • 幾人かは世界ディスインフレを物価の下振れリスクと判断。
  • 一部は持続的なインフレ上昇を予想、しない当局者も一部にいた。
  • 弱い世界経済、ドルをさらに押し上げる可能性。
  • 世界の状況が米国の見通しにリスクを及ぼすと判断。
  • 幾人かの参加者、4月利上げは適切ではない緊急性を示すサインになってしまう点を警告。

3月16日に発表された3月FOMC声明では、2016年の金利引き上げ見通しが、2015年12月FOMC開催時の年4回程度から年2回程度に引き下げられました。

次回の利上げ時期については、3月FOMC後のイエレンFRB議長の記者会見にて「4月会合での利上げについて、可能性は残っている」との発言があり、4月FOMCでの利上げの可能性が残されました。その後、中道派のウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁(投票権無)が3月21日に「4月か6月に利上げする可能性がある」と述べ、同じく中道派のロックハート・アトランタ連銀総裁(投票権無)も3月21日に「利上げは早ければ4月のFOMCで正当化される」と発言するなど、4月FOMCでの利上げに言及する発言が相次ぎ、マーケットでは4月FOMCでの利上げの可能性が高くなってきたとみる向きも増えました。

しかし、イエレンFRB議長が3月29日に「利上げにおける慎重な姿勢は特に正当化される」「コアインフレ加速、持続可能性の判断時期尚早」などハト派的な内容の発言をしたために、マーケットでは4月FOMCでの利上げの可能性は急速に萎んでいきました。

3月FOMC議事録では、4月のFOMCでの利上げについて討論されたことが示されました。議事録によると、「多くの参加者が次の引き締めのステップの前に待つことが賢明と述べた」とあり、4月FOMCでは動かない方が良いと考える参加者が多くいたということでした。

3月FOMCの時点で2人が0.25ポイントの利上げが適切と判断していますが、一人は投票権のあるジョージ・カンザスシティ連銀総裁だと声明で述べられていました。もう一人は投票権のない連銀総裁ということになりますが、タカ派のラッカー・リッチモンド連銀総裁や、利上げに前向きな前述の中道派のウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁やロックハート・アトランタ連銀総裁、3月23日に「FRBに利上げ継続が必要な強い根拠」「16年に2回を上回るFRB利上げを見たい」と述べたハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の中の一人という可能性があると思われます。3月利上げが適切と考えた参加者が、3月利上げがない場合に4月利上げに賛成と考えたと思われます。

4月利上げに反対、あるいは慎重な態度をとっている参加者は、「多くの参加者が世界経済や金融状況が米経済見通しにとってかなりの下サイドのリスクをもたらすと指摘」「幾人かは世界ディスインフレを物価の下振れリスクと判断」「弱い世界経済、ドルをさらに押し上げる可能性」「世界の状況が米国の見通しにリスクを及ぼすと判断」などとあるように、弱い世界経済や金融状況の米国へのリスクや、相対的にドル高になることによる影響を依然として懸念しているようです。

「幾人かの参加者、4月利上げは適切ではない緊急性を示すサインになってしまう点を警告」とありますが、4月FOMCまでに雇用統計発表が1回しかなく、判断材料となる経済指標が少ないという点が理由の一つに挙げられると思われます。

それでは4月の次のFOMCはいつかというと、6月14日~15日に開催が予定されています。最もハト派とみなされているエバンス・シカゴ連銀総裁(投票権無)は、あくまでデータ次第としながらも、3月30日に「労働市場の改善継続という点では6月に動く可能性も」と、3月31日に「年央に1回、年末に1回の利上げを予想」と述べているので、4月利上げに慎重なハト派内でも、6月に1回利上げするのが理想ということのようです。