2016/04/28

4月FOMC声明(2016年):6月利上げの言及なし

4月26~27日開催分のFOMC声明が発表されました。
政策金利は0.25~0.5%に据え置きでした。

  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げのみ正当化すると予想。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的。
  • FF金利の道筋は今後出てくる経済見通し次第。
  • 経済活動が鈍化していると思われるにもかかわらず、労働市場の状況はさらに改善している。
  • 強い雇用増加を含め、最近の広範の指標は労働市場の更なる強さを示している。
  • 投票メンバー10人のうち9人が利上げ見送りに賛成したが、ジョージ・カンザスシティ連銀総裁は反対し0.25%の利上げを提案した。
  • インフレ指標や世界経済、金融動向を注意深く見守り続ける。
  • エネルギーや輸入価格下落の一時的な影響がなくなり、労働市場がさらに強くなるにつれて、中期的には目標の2%まで上昇していくだろう。

政策金利は、大方の市場予想通り0.25~0.5%に据え置きでした。

4月FOMCでは、利上げされるという予想はマーケットではほとんどありませんでした。4月FOMCでの注目点は、6月FOMCでの利上げについて何らかの形で言及されるかという点と、不安定要因となっている世界経済減速への懸念について3月FOMC声明でふれていた「世界経済や金融状況がリスクをもたらし続ける」という文言が削除されるかという点でした。

6月FOMCでの利上げについては、言及はありませんでした。「FF金利の道筋は今後出てくる経済見通し次第」とこれまでの文言と同じ内容で、経済指標次第という原則通りでした。

その経済指標については、「経済活動が鈍化していると思われるにもかかわらず、労働市場の状況はさらに改善している」とあり、経済活動は鈍化しているとネガティブな評価をしている一方で、労働市場はさらに改善しているとポジティブな評価もしています。

この点について、今後の米GDPの下振れリスクを示唆しているとハト派的にとらえるアナリストが一部におり、6月FOMCでの利上げは難しく、年内1回がせいぜいだろうという見方があるようです。

一方で、さらなる労働市場の改善に言及したことに着目してタカ派的な内容ととらえる向きもあり、そうした視点に立つアナリストは6月FOMCでの利上げの可能性は残ったと評価しているようです。

FOMC声明では、前述した労働市場の強さに加えて、「エネルギーや輸入価格下落の一時的な影響がなくなり、労働市場がさらに強くなるにつれて、中期的には目標の2%まで上昇していくだろう」とあり、エネルギーや輸入価格下落といった外部要因が落ち着いて、労働市場が今のまま強くなっていけばという前提ですが、中期的には目標の2%まで上昇するだろうとインフレに対する楽観的な見方も変えていないようです。ただ、マーケットでは6月FOMCでは利上げは難しく、9月FOMCでの利上げ1回のみという予想が多いようです。

「世界経済や金融状況がリスクをもたらし続ける」という文言が削除されるかという点については、声明から削除されるという結果でした。これは、一時期の世界経済の急変が落ち着きを取り戻しつつあり、米国内への悪影響の可能性が減少したということだと思われます。3月FOMC声明の時点では、世界経済や金融状況からくるリスクが利上げの大きな壁となっていましたが、そのリスク要因が減りつつある現状や、労働市場の強さ、今後のインフレに対するFOMCの楽観的な見方をみると、あくまで原則通り今後の経済指標次第ですが、6月FOMCでの利上げの可能性は残されているのではないかと思われます。