2016/07/28

7月FOMC声明(2016年):9月利上げ示唆なしも年内利上げの可能性残す

7月26~27日開催分のFOMC声明が発表されました。
政策金利は市場予想通り0.25~0.5%に据え置きでした。

  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げのみ正当化すると予想。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的。
  • FF金利の道筋は今後出てくる経済見通し次第。
  • インフレ指標や世界経済、金融動向を注意深く見守り続ける。
  • エネルギーや輸入価格下落の一時的な影響がなくなり、労働市場がさらに強くなるにつれて、中期的には目標の2%まで上昇していくだろう。
  • 労働市場は強く、経済活動は緩やかなペースで拡大している。
  • 雇用データはここ数カ月で労働力活用の一定の増加を示している。
  • 景気見通しの短期的なリスクは後退した。
  • 参加者のうちジョージ・カンザスシティー連銀総裁は0.50~0.75%への利上げを主張した。

6月雇用統計の非農業部門雇用者数が市場予想+18.0万人に対し、+28.7万人と大幅に上振れましたが、5月分の非農業部門雇用者数は+3.8万人から+1.1万人に下方修正され、また5月と6月の変動が大きすぎるので、判断するにはもう少し様子を見たいという声がマーケットには多くありました。また、英国のEU離脱に対する米国への影響は今のところあまり問題視されていないようですが、離脱まで時間がかかるということで、こちらももう少し様子を見たいという声がマーケットにはありました。そうしたことで、7月FOMCでの利上げ予想はほとんどありませんでしたが、結果は市場予想通り0.25~0.5%に据え置きでした。

5月非農業部門雇用者数の衝撃のネガティブサプライズを受けて、6月FOMC声明では「経済活動の成長が持ち直した一方、労働市場の改善ペースは減速した。」と労働市場改善ペースの減速について言及していましたが、6月非農業部門雇用者数のこれも衝撃的だったポジティブサプライズによって、7月FOMC声明では「労働市場は強く、経済活動は緩やかなペースで拡大している」「雇用データはここ数カ月で労働力活用の一定の増加を示している」と雇用情勢の判断が上方修正されました。

また、「景気見通しの短期的なリスクは後退した」と短期的に景気減速につながる不安定要素が取り除かれたということを述べており、景気判断・雇用情勢についてはかなりタカ派的な内容と言えそうです。

しかし、次回の9月FOMCでの利上げを示唆するような文言はありませんでした。9月利上げについて言及があるかどうかに注目していたマーケットでは、9月利上げはなしという声が多く聞かれたようです。

雇用情勢や景気見通しの改善にもかかわらず、7月FOMC声明では利上げ時期について言質を与えない内容でしたが、これについては企業の設備投資が軟調であるという点や、大統領選挙が11月8日に予定されておりそれまでに動くことは難しいという点をあげるアナリストが多いようです。特に大統領選について、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利した場合、金融についてもかなりの変革が求められると思われ、混乱を予想する向きが多いようです。したがって、利上げするなら大統領選後の混乱を見極めた後の12月のFOMCだろうというマーケットの予想が大半のようです。

一方で、米国内の景気や雇用情勢は比較的良好なので、インフレ期待はまだ低いですが利上げの条件が整えば9月FOMCでの利上げはありうるという意見もマーケットには少数ながらあるようです。

大統領選直前の11月FOMC(11月1~2日)は利上げはないというマーケットの見方が大半ですが、いずれにせよ年内は9月か12月に利上げがありうる、可能性としては12月の方が高いというマーケットの予想が多いようです。