2016/11/03

11月FOMC声明(2016年):12月利上げ観測高まる内容に

11月1~2日開催分のFOMC声明が発表されました。
政策金利は、大統領選直前ということで事前の利上げ予想はほとんどありませんでしたが、その予想通り0.25~0.5%に据え置きでした。

  • 景気見通しの短期的なリスクはおおよそ均衡している。
  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げのみ正当化すると予想。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的。
  • FF金利の道筋は今後出てくる経済見通し次第。
  • インフレは今年初めから幾分強まったが、目標の2%は依然として下回っている。
  • インフレ指標や世界経済、金融動向を注意深く見守り続ける。
  • 労働市場は引き続き強く、経済活動は今年前半から穏やかなペースで上昇している。
  • 参加者のうちジョージ・カンザスシティー連銀総裁とメスター・クリーブランド連銀総裁は0.50-0.75%への利上げを主張した。
  • 利上げの根拠が強まっているが、目標に向かって進展が続くさらなる証拠を当分の間待つことを決めた。

米大統領選を8日に控えて、金利は据え置きだろうという予想が大半でしたが、12月利上げについて言及があるかどうかが注目点でした。

声明では、12月利上げについてのはっきりとした言及はなく、「FF金利の道筋は今後出てくる経済見通し次第」といういつもの大原則が述べられるにとどまりました。大筋の内容も9月FOMC声明時のものとあまり変わりなく、マーケットでは、大統領選を前に影響を少なくするような無難な内容だという声があるようです。

ただ、「インフレは今年初めから幾分強まった」とインフレについて強気な見解が加えられ、12月利上げ観測が高まったという見方があるようです。

ジョージ・カンザスシティー連銀総裁とメスター・クリーブランド連銀総裁が0.50-0.75%への利上げを主張し、金利据え置きに反対しましたが、9月FOMCではローゼングレン・ボストン連銀総裁も加わって3人が金利据え置きに反対でした。3人から2人に後退したともとれますが、ジョージ・カンザスシティー連銀総裁が超タカ派、メスター・クリーブランド連銀総裁もタカ派なのに対し、ローゼングレン・ボストン連銀総裁はマーケットではハト派ととらえられ、自身では「データ主義」という中道派なので、大統領選直前ということで空気を読んだということかもしれません。

2016年末のFF金利見通し(中央値)は0.625%で年内1回の利上げを見込んでいると思われますが、FOMCは年内は12月13~14日の1回のみになりました。「利上げの根拠が強まっている」とあるように、12月利上げへのハードルはかなり低いと思われますが、問題は大統領選の結果ということになりそうです。

トランプ氏が勝利すると、金融市場は大混乱に陥ると予想されており、その状況次第では12月利上げができなくなる可能性があるという見方がマーケットにあるようです。声明では12月利上げに言及することはありませんでしたが、大統領選への影響を少なくするということ以外にも、トランプ氏勝利の場合の混乱の可能性をふまえて言及できなかったという見方もマーケットの一部にはあるようです。

ヒラリー氏とトランプ氏のどちらが勝利するかでかなりの違いがあるので、今は大統領選の行方を見守るしかないという状況だと思われます。