2017/03/16

3月FOMC声明(2017年)0.75~1.00%へ利上げも年内利上げ3回見通し据え置き

3月14日~15日に開催されたFOMCの声明が発表されました。
政策金利は、市場予想通り0.75~1.00%へ利上げでした。

  • 労働市場は引き続き強く、経済活動は今年中盤から穏やかなペースで上昇している。
  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げを正当化すると予想。
  • 保有する政府機関債とMBSの償還元本をMBSに再投資し、米国債の償還金を新発債に再投資する既存の政策を維持。
  • FF金利の水準が十分に正常化されるまでそうすると想定。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的。
  • その結果、労働市場の状況がさらに強化されインフレが2%に戻っている。
  • FF金利の道筋は今後出てくる経済見通し次第。
  • カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁はFF金利を据え置くことが望ましいとして反対。

  • 2017年末のFF金利見通し(中央値): 1.375%(前回1.375%)
  • 2018年末のFF金利見通し(中央値): 2.125%(前回2.125%)
  • 2019年末のFF金利見通し(中央値): 3.000%(前回2.875%)

  • 2017年GDP見通し: 2.1%(前回2.1%)
  • 2018年GDP見通し: 2.1%(前回2.0%)
  • 2019年GDP見通し: 1.9%(前回1.9%)

2月FOMC議事録発表前から、パウエルFRB理事やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、カプラン・ダラス連銀総裁らが3月利上げもありうるとコメントしていましたが、2月FOMC議事録発表後、イエレンFRB議長をはじめFOMC関係者らが次々に3月利上げについてはっきりと言及することが増え、利上げを織り込みにかかる言動がみられました。その結果、マーケットでは90%以上の確率で3月利上げをすでに織り込み、FOMCでの注目は年内3回の利上げ見通しが4回に引き上げられるかどうかに移っていました。

結果は、2017年は年内3回の利上げ見通し据え置きで、マーケットでは年内4回の見方が出てきていたために失望売りでドル円が急落する場面もあったようです。

金利見通しは2018年も2.125%で据え置きで、2019年のみ3.000%へ引き上げられました。この内容をマーケットではタカ派的でないとみる向きが多いようです。

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(ハト派)のみ反対しましたが、2月FOMC議事録発表前から「金融政策は引き締めすぎるより緩和しすぎるほうが良い」と利上げに若干後ろ向きな発言をしていたので、サプライズではなかったようです。


FOMC声明後に行われたイエレンFRB議長の記者会見の内容は次の通りです。

  • 金融政策は利上げ後も緩和的であり続ける。
  • 今回の決定は利上げを待ち過ぎれば後に一段と急速な引き上げが必要になるとの見方を反映。
  • バランスシートの縮小は緩やかで予測可能な過程で行う。
  • 再投資の方針についていずれ変更することについて協議した。
  • 年3回の利上げは緩やかなペースだと確実に言える。
  • 株高は消費の拡大が要因。
  • 世界経済は良くなってきており、リスクは均衡している。
  • 2%のインフレ目標は上限ではない。
  • コアインフレはなお2%未満で上昇すると予想。
  • 賃金はさらに上昇する余地がある。

「バランスシートの縮小は緩やかで予測可能な過程で行う」「再投資の方針についていずれ変更することについて協議した」とありますが、マーケットの一部では今回のFOMCでなんらかの決定がなされるのではないかという予想もあったので、そうした向きにはハト派的と映ったようです。

「賃金はさらに上昇する余地がある」については、最新の2月雇用統計の結果では平均賃金が前月比0.2%上昇し26.09$になりましたが、市場予想では前月比+0.3%が見込まれていたのでやや物足りなかったというマーケットの評価がありました。FOMCでも現在の賃金の伸びはまだ物足らないとみているようです。


3月FOMCは、事前にイエレンFRB議長らが織り込みにかかったように予想通りの利上げで、そういう意味ではわかりやすい結果でした。しかし、タカ派的な予想がマーケットでは出てきていたために、年内利上げ見通しの据え置きについてはハト派的な内容と映りドル売り要因になったようです。