2017/04/06

3月FOMC議事録(2017年)

3月14日~15日開催分のFOMC議事録が発表されました。

  • 大方の参加者は再投資政策の変更が今年後半に正当化されると認識。
  • 米国債とMBSの両方が再投資変更の一部となるべき。
  • 一部の参加者は株価が非常に高いと見ている。
  • ここ数カ月、世界経済のリスクは概ね低下した。
  • 漸進的な利上げが適切となお判断。
  • 大半の参加者は財政政策は景気上振れリスクと認識。
  • 今後の会合で再投資政策の協議を継続。
  • より強いインフレがより速い利上げを正当化するか、過去の低インフレの持続性を考慮してより緩やかなペースの利上げがよいか、意見が分かれた。

3月FOMC声明では、大方の市場予想通り0.75~1.00%へ利上げが行われました。
一方、同時に発表された年内の利上げ見通しは3回に留まり、4回を予想する向きも多かったマーケットは失望売りでドル円が急落する場面もありました。

3月FOMC議事録では、「漸進的な利上げが適切となお判断」とあり、今後も緩やかなペースでの利上げが続くということでした。マーケットではこれをハト派的内容ととらえ、ドル円下落につながったようです。また、「一部の参加者は株価が非常に高いと見ている」と株価に言及したことでNYダウが下落したようです。

また、議事録では「大方の参加者は再投資政策の変更が今年後半に正当化されると認識」と、再投資政策の今年後半での変更について言及しました。バランスシートの縮小について、イエレンFRB議長はFOMC声明後の会見で「バランスシートの縮小は緩やかで予測可能な過程で行う」「再投資の方針についていずれ変更することについて協議した」と述べていました。

3月FOMC声明以後、パウエルFRB理事は「時期がきた際にバランスシートの段階的縮小は適切」、エバンス・シカゴ連銀総裁も「FRBはバランスシートに対する計画を明確にするだろう」、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁も「2017年末までに再投資の終了が適切な可能性」、カプラン・ダラス連銀総裁も「バランスシートを縮小させる時に近づいている」、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁も「FF金利引き上げの前にバランスシートを縮小すべき」、ブラード・セントルイス連銀総裁も「バランスシート縮小、今年下期までに準備整う可能性」、メスター・クリーブランド連銀総裁も「バランスシートの年内縮小開始を支持」などと発言し、今年後半から年末にかけてバランスシートの縮小の決定が行われる可能性があることを織り込ませようというような動きがありました。3月利上げ前にも、利上げを織り込ませようというようにFOMC関係者たちが次々と利上げに言及するという動きがみられましたが、バランスシートの縮小についても、今年後半から年末にはバランスシート縮小の決定が行われることが既定路線ということだと思われます。
※4/8追記:4月7日に、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁は「FOMCはまだバランスシート計画を策定中」「バランスシートの縮小は年内か来年早期に開始」と発言していました。まだ決定してはいないものの、バランスシートの縮小は今年後半~来年早期には開始したいということのようです。~追記ここまで

バランスシートの縮小について、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁は3月31日に、「バランスシートの正常化は利上げの代わりになる」「FRBがバランスシートの正常化に着手することを決定した場合、同時に短期金利の引き上げの小休止も決定する可能性がある」と述べ、バランスシートの縮小は利上げと同じような効果があり、バランスシートの縮小を開始する場合は利上げの休止もありうるとしました。年内の利上げ見通しは3回ですが、バランスシートの縮小が開始されると利上げと同等の効果があるとみると、もし3回の利上げが行われた上に年内にバランスシートの縮小が開始された場合、年4回以上の利上げと同じような効果があるということにもなるのではないでしょうか。そうなると、マーケットの年内4回利上げ予想とあまり変わらないことになる可能性もあり、マーケットが受けたハト派的という印象よりもFOMCはよりタカ派的ということもいえるかもしれません。年内2回の利上げに留まったうえでバランスシートの縮小が行われると現状の3回の予想と同等ということにもなりますが、今後はバランスシートの縮小の決定についてもあわせてみていく必要がありそうです。
※4/8追記:4月7日に、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁は「政策の優先手段は金利でありバランスシートではない」「バランスシート縮小は利上げにわずかな中断しかもたらさない可能性」と述べていました。バランスシート縮小が開始されても長期に利上げが中断されるということではないようです。

NYタイムズ紙によると、ラッカー・リッチモンド連銀総裁が、不適切な情報開示で4月4日に辞任したそうですね。超タカ派で発言も多く印象深い総裁でしたが、このような結果になり残念ですね。すでに10月退任が発表されていたので、マーケットへの影響はあまりなかったようです。~追記ここまで